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オリンピックに向け新たな挑戦

日本女子バドミントン界のホープとして期待されているのが、水戸市出身の仁平菜月(18)さん=写真=だ。小学校時代に全国大会で3連覇を達成し、ジュニア日本代表として世界を転戦してきた。同競技の強豪校である福島県内の中学、高校に進み、昨夏のインターハイ・シングルで優勝した。高校卒業後は実業団に入部し、オリンピックに向けた新たな挑戦が始まる。 昨夏のインターハイ、バドミントン女子シングルを制した仁平さんは、優勝した直後こそ満面の笑みを見せたが、試合後、両親の顔を見た彼女の目からは6年間の感謝の思いが詰まった涙がこぼれ落ちた。

水戸市出身の仁平さんは、水戸市立浜田小学校在学時に全国小学生バドミントン選手権で3連覇を達成。ジュニア日本代表にも選出され、注目を集めた。小学校卒業後は、バドミントンの名門である福島県富岡町の町立富岡第一中学校への進学を決意。入学前に東日本大震災が発生し、一時は水戸市内の中学校に通ったが、1カ月後には福島県猪苗代市に開校した富岡第一中のサテライト校に転校し、親元を離れての新たな人生をスタートさせた。

福島の地でバドミントンと向き合う日々を送り、13年の全国中学校バドミントン大会で同校は団体で3連覇を達成。仁平さんはシングルでも優勝を飾った。そして、そのまま福島県立富岡高校へと進学した。

「人生のターニングポイント」。そう語るのは、高校2年の夏のインターハイ県予選のこと。準決勝で同じ高校の先輩と対戦して敗れ、インターハイへの切符を逃した。泣きじゃくる娘を心配した両親はこう語りかけたという。

「そんなつらい思いをするぐらいなら帰って来なさい」

その言葉が胸に突き刺さった。中学進学時、相当な覚悟で自分を送り出してくれた親に「帰って来なさい」と言わせてしまった自分が情けなく、悔しかった。

「もう二度とあんなことを言わせてはいけない。あの一言で目が覚めました」

より一層自分に厳しく日々の練習に取り組み、その結果、同年秋の世界ジュニア大会で銀メダルを獲得。翌年夏のインターハイ優勝につながった。

「帰って来なさい」を「おめでとう」に変えることができた。彼女の歩みを支えていたのは親の愛情だった。1年前の後悔とは異なる涙があふれ出てきた。

女子バドミントン界期待の星は「これまで支えてくれた人たちのおかげで優勝できました」と胸を張った。

今春高校を卒業した仁平さんは、トナミ運輸に就職し、実業団選手として活動する。オリンピック出場、そしてメダル獲得に向けて挑戦は続く。
エールスポーツ茨城・佐藤拓也