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08年3月5日付 1286号

 

民家そのまま不思議な温かさ〜ギャラリー「キワマリ荘」を立ち上げた有馬かおるさん

  古い平屋建て民家で、週末3日間だけ営業。看板もないので、ここがギャラリーとはほとんどの人は気がつかない。県立水戸二高の裏通りに面した月極駐車場の一角に、その名も「キワマリ荘」(水戸市北見町)がオープンしたのは今年1月。現代美術アーティスト・有馬かおるさん(39)が、愛知県犬山市から水戸に拠点を移し立ち上げた。絵を描いていると、これは「きわまりそうだな!」と感じられることがあり、これが名前の由来なのだという。


 
 キワマリ荘では2月下旬まで、東海村在住の安星絵さん(23)の作品展「やらり よらり」が開かれていた。展示室といっても、床の間付き8畳2間続きの和室だが、ブルーを基調とした幅3.5mのアクリル画大作が、不思議なほど違和感なく溶け込んでいる。6畳の板の間には、童話風の小作品や立体絵本も展示されていた。

 地元でずっとギャラリーを探していた安さんは、「やっと、ここを見つけました。温かくて、いろんな空間があり、やる気の出てくる場所です」と話している。茨城大学美術科卒業生を中心とした芸術家集団「ROOTS-06」や、地元作家グループの専用展示スペース「遊戯室」もある。  

 有馬さんは名古屋造形芸術短期大学を卒業後、新聞紙やクラフト紙にドローイングを施すなどした作品を制作してきた。無名の作家にとって、ギャラリーでの個展は高額で、なによりも作品自体が受け入れてもらえなかった。それなら自分でギャラリーを作ろうと27歳の時、住人は有馬さん1人だけという犬山市の中古アパートを「キワマリ荘」と命名し、空き部屋を使って貸しギャラリーを始めた。不便な場所にもかかわらず現代アートファンが訪れ、美術専門雑誌「美術手帳」にも掲載されて、次第に知られるように。

  そんな折、水戸芸術館で開催された日本の若手作家15人のグループ展「夏の扉〜マイクロポップの時代」に参加。新しいアートの形として注目を浴びた。これを機に、水戸に興味を持った有馬さんは移住を決意。10年間運営してきた犬山市の「キワマリ荘」を若手に譲って、「水戸のキワマリ荘」を立ち上げた。

  車を持たない有馬さんだが、「水戸は図書館や画廊、書店が近いので便利で住みやすい」と話す。玄関から入った畳の部屋のこたつで、有馬さんや展示作家とお茶を飲みながら交流も出来る。

 7日〜5月25日には、有馬さんの個展「制度の縁側夜曲」を開催。入場料500円。金、土、日曜午前11時〜午後5時開館。
 
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