田舎でもない都会でもない個性あふれる楽しい町に〜常陸太田市 スロータウン鯨ヶ丘春まつり
常陸太田市の「鯨ヶ丘商店街」(東一町〜東三町)が、大勢の人で埋め尽くされた。青空市には威勢の良い声が飛び交い、菓子博覧会には地元の銘菓が勢ぞろい。昭和50年代の白黒写真を指差しながら孫に話し掛ける祖父母、幼い娘に射的の手ほどきをする若い父親の姿もあった。レトロな町並みをのんびりと巡り歩くグループや、写生を楽しむ親子も。かつての繁華街に再び人を呼び戻そうと3月22日、市商工会と鯨ヶ丘商店会の主催で「スロータウン鯨ヶ丘春まつり」が行われた。
「普段あまり通らない場所ですが、お店とかいっぱい出て楽しい」と、華やかな衣装で元気いっぱいに「久自楽(くじら)舞」を踊った玉井理沙さん(太田中2年)、佐々木みなみさん(同)。「小学生の頃は栄えていたのに、太田一高に通う頃には寂しくなりました。にぎわいを取り戻して欲しいです」とここで育ったという宇野雅子さん(27)、智子さん(25)姉妹。
時代の流れと共に、市の中心街は鯨ヶ丘地区から交通の便利な平地に移り、商店街は活気を失った。沈滞ムードを打破しようと、町を挙げての春祭りとなった。
市民団体「まいづる塾」と「まいづる蕎麦(そば)の会」が企画した「おおたの地酒・新そばを味わう会」には、京浜方面からの予約客が来る盛況ぶり。「市内には6つもの酒蔵があるんです。日本一の常陸秋そばと地酒を共に味わえます」と蕎麦の会会長・山口茂樹さん(56)。
空き店舗を利用したアンティーク・ギャラリー「花てまり」とカフェ「結+1(ゆいぷらすワン)」「そば茶屋hanamizuki」の3店もオープン。街は久々に活気を取り戻し、訪れた人たちは「食と文化」の様々な仕掛けを楽しんでいた。
「よそから来るお客さんは、とてもいい街と言ってくれる。坂が多いので来てもらうのは大変ですが、このような催しで鯨ヶ丘を訪れる人が増えてくれたらうれしい」と、ちまきの老舗「なべや」の鍋屋幸子さん(60)。
「古民家や坂の多い町並みを活用し、市民がくつろげる場所として再生させたい。今回の反応を見た上で、出来れば月1回程度イベントを開いていきたい。田舎でもない、都会でもない、個性あふれる町造りに取り組んでいきます」と市商工会事務局長・大津賢二さん(58)は語る。
★アンティーク・ギャラリー花てまり 午前10時〜午後6時営業、9の付く日は休み ・0294(72)7226
★カフェ結+1 午前11時〜午後5時営業、日、月、木曜定休 ・0294(72)8860
★そば茶屋hanamizuki 午後5時〜午前0時営業、日曜定休 ・0294(72)9622(カネコ食堂)