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08年4月2日付 1290号

 

丁寧に もの作り その生き方も伝えたい〜豊作だった今年のミカン、105歳で逝った母の味を再現した懐かしいジャムを作りました

  甘くて酸っぱいミカンジャムは、及川徳江さん(73)が子供の頃に作ってもらった懐かしい母の味。今年は北茨城市中郷町の自宅敷地内のミカンが豊作だったので、105歳になる母・雨宮みねさんの味を再現した「ミーちゃんの味 みかんジャム」を作り、長寿のおすそ分けをした。口にジャムを含ませると目を細め、おいしそうにモグモグしたみねさんが、桜の開花を待たず自宅で静かに息を引き取ったのは、それから間もなくのこと。


 
● 見習うことはたくさんあった

 掃除は不得手だったが料理は得意で、材料にもこだわり工夫しながら何でも手作りしたみねさん。その生き方は、及川さんの人生に少なからず影響を与えた。明治生まれで洋菓子作りをするモダンな一面もあったが「横文字に弱くて名前が覚えられず、マドレーヌを窓レールって覚えていたんですよ」と当時を思い出して笑う。

  体の弱かったみねさんが、北茨城市の最高齢者になるとは思いもよらなかった及川さんは、みねさんの生命力の強さに打たれ、半生記を本にしようかと考えたこともある。

  「でも、そんなことより、母が残してくれた味を伝えることが私に出来ること。昔の人は手を掛けて丁寧に作りました、見習うことはたくさんあります」  ミカンは、農業改良普及員だった今は亡き父、年満さんが昭和30年頃、当時北限とされていた十王町山部(現日立市)にミカンを植樹した時に、自宅にも100本植えたもの。土地に合ったのか品質が良く、農産物品評会で何度も1等賞になり副賞をもらって大喜びしたこともあった。

● 北限のミカンの末えい利用

 父と同じ農業改良普及員となった及川さんは、退職後の人生を、県内各地で推進してきた地産地消や農産品の開発販売を自ら実践することからスタートさせた。太平洋が一望できる小高い丘の上に建つカントリークッキーハウス「オレンジの丘」がその拠点。

 及川さんは、そこでミカン入りのクッキーを石釜で焼いたり、旬の食材を使った簡単に出来る本格的な料理の講習会を開くなどしている。あるものを生かし、丁寧に作りながらの生活は、正に母、みねさんから受け継いだもの。

 ミカンの花は母が生まれた6月に満開になる。「香りのよい白い花が咲いたら、きっと母は空から見ているんじゃないかしら」  

● あるもの生かし丁寧に作る

200個作った味と香りの深い「ミーちゃんの味 みかんジャム」は瞬く間に売り切れたが、及川さんはその花が咲く頃に庭の梅で青梅のジャムを作る予定。

 カントリークッキーハウス「オレンジの丘」は、第2週の日〜土曜のみ営業。時間は午前9時〜午後6時。 ・0293(42)1300
 
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