野菜も人も、みんな生き生き!〜水戸市内原・片野一郎・真弓夫妻の「草っぽ農園」
自然と共に心豊かな日々を送りたい―水戸市内原町の片野一郎さん(41)、真弓さん(35)夫妻が「草っぽ農園」を始めたのはそんな願いから。7年たった今、葉太郎君(4)と花ちゃん(2)が加わり、家族は4人になった。自然農や伸び伸びとした子育てを通じて、様々な人々との交流も生まれている。
畑は市内4カ所に全部で5反、田は1反だ。その名の通り農園は、一見どれが野菜で、どれが「草っぽ(雑草)」なのか分からない。整然と耕された畑しか知らない目には、不思議な光景だ。
その地に自生している草や虫を養分にして育てる「不耕起栽培」を実践しているためだが、自然の力を十二分に引き出すこの方法で、無農薬で年間50種の野菜を栽培している。
5月〜翌年2月の間は、旬の野菜約10種類を、主に東京、神奈川方面の年間契約者へ、毎週または隔週で宅配している他、鯉淵学園農業栄養専門学校農産物直売所「農の詩」で販売もしている。
自然農のサークルで出会った一郎さんと真弓さんは、環境問題に関心が深く、自然と共に生きることを求め、その結果、この暮らしに行き着いた。
「生まれ育った内原の農業が廃れていく中で、ここで続けていく事に意味があると思っています」と一郎さん。 都会の若い人が話を聞きに来たり、この農園で、農業体験をしたいと言って訪ねてくる人もいる。「うちがきっかけで就農した若夫婦もいます。南米から農業研修に来た人は、この畑を見て感動してくれました。うれしかったです」と真弓さん。自分たちの実践を通して、草や虫の大切さに関心を持つ人が増えたり、若い人たちを勇気付けることが出来るのは喜びでもある。
地元の人々との交流も盛んだ。300坪の広い片野さんの自宅敷地内には、廃材を利用して建てたヤギ小屋、鶏や合鴨の小屋、木登りが出来る大きなタイサンボク、農園の苗床などが広がり、葉太郎君、花ちゃんだけでなく、「園長先生―!」と一郎さんを呼ぶ、近所の子供たちのはしゃぐ声が、毎日のように響き渡る。
「2年ぐらい前から、子供と一緒に気兼ねなく遊ばせてもらっています。遊具がなくても、自然の草木の中で子供たちが自分で遊びを見つけるんです」と近所に住む谷津奈津子さん(33)。
「誰からも奪うことなく、お金を掛けず、地に足をつけて小さな幸せを見つけました。『この暮らしなんだ!』と実感しています」と夫妻は笑顔で話している。野菜は直接農園でも購入出来る。