わくわくしながら訓練や準備〜ペルー・アンデス登頂に挑む 柴田美知代さんと小林千穂子さん
日立市の主婦2人が、ペルー・アンデス登頂に挑む。県山岳連盟に所属する男性4人と総勢6人で、6月28日に日本を出発し、25日間の行程でブランカ山群に位置する6354mのチョピカルキと5725mのピスコの頂上を目指す。2人とも訓練と準備に追われる毎日だが、長期間留守にする妻を、快く送り出してくれる夫に「ありがたい」と感謝するのも忘れない。
■あこがれの南米
「単純ですけど、ただ山に登りたい、その思いが一番」「大好きな南米の山に登れるなんてラッキー」と2人。
登山歴12年、県内の女性としては唯一の日本体育協会公認登山指導員・柴田美知代さん(56)は、平均で年間60日、多い年は1年の3分の1を山で過ごすほどの、自他共に認める山女。
一方、本格的に登山を始めて数年目という水戸葵山岳会の小林千穂子さん(45)は、2年前に4500mのブータンヒマラヤに登頂したのが自信になり、あこがれの南米と聞き、迷わず参加申し込みをした。2人は笠松運動公園内のボードクライミング仲間で、毎週顔を合わせていたがアンデス登頂への参加は互いに後で知り、その偶然を喜んだ。
創立53年になる県山岳連盟はヒマラヤ8000m峰への登頂が悲願だ。今回の登山は、将来を見据えてステップアップを図るのが目的。隊長を務める同連盟海外登山委員長の椎名正明さん(58)が、30年前に南米を半年掛けて旅をしながらアンデスに登頂した経験を生かして計画を練った。
現地に入ってからは、徐々に高度に順化させてベースキャンプからアタック、時間を掛けて頂上を目指す。荷物は国外へ持ち出すものを出来るだけ少なくするために現地調達し、ガイドとコックを雇い、隊員は登頂に専念する。
■富士山で事前訓練
周到な準備に加え、4月下旬には富士山で雪上トレーニングを実施し、雪面や雪壁のアイゼン歩行やレスキュー技術を含むロープワークなどの習得に務めた。山は命の危険と隣り合わせ、時にはきつい言葉が飛び交うが、安全に登山するためには遠慮は厳禁。事前訓練は、隊員間の信頼関係を築くためにも重要だ。
長い共同生活のためにそれぞれ役割分担があり、しっかり者の柴田さんは医療と会計を、夫の仕事の関係でスペインに1年間滞在したことのある小林さんは、たん能なスペイン語を生かして渉外を担当することになっている。
■準備の時 楽しい
アンデス登頂は、空気が薄い分ゆっくり進むので景色を楽しむことが出来るが、頂上付近は傾斜が50度の雪壁が立ちはだかる。
「苦しくなったら頂上に立つ自分の姿を思い描いて一歩一歩足を運ぶ」つもり。だから、頂上での感動は毎回例えようもないが、下山時にはもう次に登る山のことを考えているという2人。
「下調べや準備の時がわくわくして一番楽しい」と大笑いする。