ギャラリー情報 画像室 リンク ホーム 

 

紙面から>今週の1面記事

 
今週の1面記事 08年10月8日付 1314号


アンサンブルは楽しい〜ハーモニカ愛好会チェリーズ

 ハーモニカがこんなに表現力のある楽器だったとは…。「チェリーズ」の演奏を聴いた人の多くはこんな感想を抱く。1人で何本も吹き分けて旋律を奏でる。長さ60・もある大きなコード・ハーモニカや、太くて重いバスハーモニカを優しく、しっとりと響かせる。ダイナミックなアンサンブルの裏には、2度にわたる大病を克服し、指導に情熱を傾ける平野貞男さん(日立市・70)の存在がある。


 
 
ハーモニカ愛好会「チェリーズ」は50〜70代の男女7人編成。中央が平野さん
 50歳の時、肺炎を発症して2カ月間の闘病生活を送り、退院したのもつかの間、今度は心臓に異常が見つかって手術。立て続けに2度の危機に見舞われた平野さんの人生観は大きく変わった。

当時平野さんは、小・中学校で音楽教師として器楽演奏を指導していた。闘病を契機に、がむしゃらに生きるのではなく、楽しみながら人生を生きたいと思うようになった。定年退職後は早速、地元団地内のハーモニカ愛好会「ハーモニーフレンズ」に入会した。  

グループの一員として活動を始めたものの、そこは元音楽教師、気がつけば同会を本格的なアンサンブル演奏集団に育成する指導者となっていた。  

日立市立多賀中学校のPTA仲間だった根本征子さん(67)ら4人が、そんな「ハーモニーフレンズ」の演奏を聞いたのは99年。感動のあまり、自分たちもアンサンブルをやりたいと平野さんに指導を依頼。2年後に「チェリーズ」を結成した。その後の成長は目覚ましく、現在は同市千石町の多賀市民プラザを拠点に、幅広い演奏活動を展開。今年は県代表として千葉と埼玉のハーモニカサークル交流会に出演するほどに。

  「キャリアが違うので、ついていくのが大変と思うこともありますが、アンサンブルはすごく楽しい」と入会6年目の益子ヒロ子さん(65)。「どこで演奏しても、聴いてくださる方から手応えを感じるし、喜んでもらえる。それがうれしい」と原田余理子さん(58)。代表の根本さんは「アンサンブル演奏の分野では、平野先生はピカイチの指導者だと思います」と言い切る。  

「最初は、こんなにうまくなると思っていなかったので、私自身驚いています。メンバーの熱心さには頭が下がる思い」と平野さん。  

日立交響楽団の指揮者・半井進さんは、同会の演奏に感動し、 田メロディーを含む7曲を編曲、作曲して提供した。中でも「鎮魂組曲(レクイエム)」は平野さんが特に希望した曲だ。  

「2度の大病を乗り越えて、自分は生かされていると感じています。同時に、こうして私たちが生きていられるのは、皆忘れがちになっていますが、戦争の犠牲があったから。亡くなった方への鎮魂を込めて、いつか年輩の方の前で演奏したい」と平野さん。

現在は同市と那珂市、常陸太田市の7グループを指導、忙しくも充実した日々を送っている。
紙面からに戻る
このページのトップへ
掲載した記事は、次回更新時にバックナンバーに移動します。

1面記事バックナンバー

 

 

Copyright 2004 IBARAKI-ASAHI CO.,LTD.All rights reserved.